佳き日に
勉強意欲がない鉛丹は机に頬杖をついて桔梗と琥珀の会話を聞いているだけだった。
「ここのxは……」
「代入して、式を変形すれば…」
二人の会話は鉛丹にとって未知だった。
無言を貫くつもりだったが、鉛丹はポロッと疑問を口にしてしまっていた。
「なんで数学なのにxとかアルファベット使うんだよ。」
「数字の代わりですね。」
「xは、どんな数字でもいれていいってことだと思う。」
律儀に答えてくれる桔梗と琥珀。
二人とも根は真面目なのだろう。