白い恋【ホワイトデー短編】
Love返事
不安を抱えながら、放課後が来た。




教室には誰もいない。
佳奈は私に気を遣って、先に帰ってしまった。


てか、ここでこうしてても無意味なんじゃ……。

そう思い、立とうとしたとき、


「小町さん」



声がした方を振り向くと、細川君が立っていた。



「細川君……」



「ちょっといいかな?」



「あ、うん!!全然いいよ!!!」



ドキドキする……。
胸を高鳴らせる。


「あの、返事なんだけど……」

次の言葉が出る前に

「あぁー!いたぁ!!細川くぅん!!」


女の子の甘い声。
と、同時にその子が細川君の腕にしがみついた。



「あ、あの今はちょっと……」


「えぇぇえええ!……誰?あなた」


冷たい目で私に聞く女の子。


「あの、この子にちょっと用事が……」


「細川君!……バイバイ!!もう!こういう場面は2人きりでやってよね!!」



必死に作り笑いをするが、上手くいかない。



「あの、小町さん……」


「じゃぁね!!」



私は急いでその場から離れた。
細川君の声も無視して――…




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