恋愛とか、社会とか
どうせやったってこんなもんだ。
「亜由香ぁーおはよぅ!!」

「怜奈、おはようー!」

午前7時30分。私たちは地下鉄の改札前でいつも通り待ち合わせ。

隣で怜奈が楽しそうに話しかけてくる。今日は卒業式だからいつもより気分がいいのだろう。

適当に相槌を打ちながら電車のなかで考え事をしていた。

「ねーあゆかぁ?聞いてんの?」

「えっ、聞いてるよ!」

嘘だ。

「あ・・・ごめん。あゆ、確か内定決まってなかったんだよね・・・?」

「いや、大丈夫。あたしこそごめん」

あたしは唇を噛みしめた。



「只今から卒業証書授与式を始めます」

遊びほうけた大学生活ももうこれで終わりなんだなと思うと、少し胸が痛かった。

しかし明日からの生活を考えると・・・先が重いのは当然であった。

1人1人の名前が呼ばれていく・・・

その度に卒業生が起立し、涙を流す。

「斉藤亜由香」

起立し、改めて会場を見渡した。

皆泣いている・・・・・・

私も同調するように泣いた。

そしてわたしたちの大学生という肩書きは消えた。


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