男子校のお姫様

お祖父ちゃんから仕事のメールが来ていないか調べるため。

メールは来ていなかったみたい。

あたしはマナーモード設定にした携帯を制服のポケットに突っ込んだ。

ちょうどそこでHRを知らせるチャイムが鳴り、先生も教卓の前に立つ。

「お、全員そろってるな」

先生はそう言って教室中を見まわした後、ある一点を見つめて苦笑した。

「新学期だっていうのに・・・ロッカーがいっぱいって・・・」

「あはは・・・」

あたしは先生の言葉に苦笑を返す。

「まぁいい。いきなりだけど来週遠足あるから」

先生はそれだけ言うと、「体育館行け~」と言いながら教室を出て行った。

あたしたちも体育館へと移動する。

その途中、一瞬だけ霊気を感じた。

あたしは一瞬だし、慧も反応しなかったから平気だろうと気を抜いて歩く。

だけど、それが後々大変なことを巻き起こす予兆だったなんて・・・。

そんなことにも気付けなかったその時のあたしは少し気が抜けていたのかもしれない。

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