男子校のお姫様

「佳音ちゃん、やめて!」

「佳音!?」

あたしは騒いでいる皆に念を送る。

“皆騒ぎすぎ。あたしを誰だと思ってるの?・・・慧、琉生兄。あたしが隙を作るからその隙をついて攻撃ね”

突然のことに慧と琉生兄以外は混乱したみたい・・・。

「どんな幸せな生活ができるのかなぁ」

あたしは何も知らない女の子を演じてみせる。

「こことは比べ物にならない程幸せな生活を提供しよう」

「本当?じゃあ一緒に行こうかな。でも、その前に1つ。そのマスク外して?」

あたしの言葉に仮面男はマスクを外す。

そしてびっくり・・・。超イケメン・・・。

だからあたしはそれも活用することにした。

「きゃ~!すっごくかっこいい~!あたし喜んでついてく!」

そう言って抱きつく。

だけど勿論演技。

あたしが抱きついたことでできた一瞬の隙を見逃さなかった2人は、素早く符を取り出すと男に投げる。

これは避けられないだろうなと思ったあたしの予想は・・・外れた。

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