さくらんぼなあたしと王子様
葉瑠くんのことで

世羅ちゃんのこと、すっかり

忘れてたよ…。

って言ったら怒られちゃうかな。

「あのね、世羅ちゃん。」

「ん?」

あくびをしながらあたしを見る。

「葉瑠くんと、ちゃんと
話したよ。」

「そっか。」

「友達でまた、いてくれるって…。」

「よく言えたね、頑張ったね。」

世羅ちゃんがあたしを

ヨシヨシしてくれたから、

枯れていた涙がまた出そうになる…。

「あぁ!もう泣いたらだめっ!
目がつぶれるっ!」

「うっ!」

つぶれるっ!?

ぐっとこらえて涙を引っ込めたら、

自然と顔を見合わせてあたし達は

笑い合った。
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