狼ゴコロは愛のイロ

玖美の職場────────・・・



「玖美さん、とっても綺麗だったなぁ」


「本当に。キラキラ輝いてたよねぇ」


「うんうん。まぁ我が社一の美女だもん。当然じゃん!」



社内では、一昨日行われた玖美と雅の結婚式についての話でもちきりだった。



社内のマドンナ的存在だった玖美の結婚は、一つの事件で、女性は応援し男性は涙を流した。



しかし、結婚式で新郎を見た途端、社員は動揺した。



「だけど、あの旦那さんは何なんだろう?」


「ねぇ。だってものすごい無愛想な顔だったよね?」


「そうそう。だけど、二人の馴れ初めから今までの写真は、玖美のこと優しそうな目で見てたよね?」


「そう?式の途中でグフッって言ったり気持ち悪かったよ?」


「つーか、あんな男にとられるなんて納得いかねぇ」


「あ~分かる。何であんな男なんだ?特別イケメンでもないし、あんなんなら仕事一筋とかなんじゃねぇの?」


「じゃぁ俺、離婚するの待ってよー」


「でもよ、二人の思い出の写真は──────・・・」





玖美には賞賛の声があるのに対し、新郎には批判の声でいっぱいだった。




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