閑中八策
 また加圧水型原子炉はもともとは原子力潜水艦、原子力空母などに搭載するために開発された物である。
 だから安全度が高いとも取れるが、逆に地上に固定する事を想定していなかった型式だから、地震が滅多にないアメリカ東海岸ならともかく、日本で大丈夫なのか?という疑問もあり得る。

 また、福島第一は地震の揺れそのものには耐えたと言われたが、それは冷却水の配管が単純な沸騰水型だったから、とも考えられる。
 複雑な二次冷却水の配管を持つ加圧水型の場合、地震の振動だけで二次冷却水系が破損する可能性はむしろ高いのではないか?

 もう一つ、大飯原発には「免震重要棟」がまだ無い。福島第一の事故後、事故収束にあたった職員が活動拠点にしていた建物である。
 新潟中越地震で柏崎刈羽原発が被災したため、東電の原発には新しく設置されている。

 東日本大震災クラスにも耐えられる建物で、ある程度放射性物質の遮断機能もあり、実際福島第一ではあれがなかったら事故収束作業は不可能だっただろう。
 関西電力の原発で免震重要棟が完成している所はまだないはずだ。

 こういう点を説明しないで、安全だから再稼働をと言っても、「信用できない!」という声は絶えないだろう。
< 30 / 74 >

この作品をシェア

pagetop