隣人は高校教師
正体不明の隣人


3月ー
大好きだった仲間と別れ、期待を胸に少し離れた大学へ通うため1人暮らしを始めた。

どこにでもあるアパートで、特別何かあるわけではないけど、舞い上がっていたあたしは顔がニヤつくのを抑えれないまま階段を上がった。

自分の部屋を見つけ、鍵を探していると隣の扉が開いた。

あ、お隣さんかな?

そう思い、様子を伺っていると出て来たのは女性だった。
髪の長い綺麗な人だった。

女の人か、良かった。
すれ違ったら挨拶しよう。

そんな事を考えていると、彼女はクルリと開いたままの扉に向き合うと、笑顔で、じゃあまたね。と言った。

「あぁ、また連絡する」

扉の中から聞こえてきたのは男性の低い声だった。

なんだ、住んでるのは男か…

扉で顔が見えなかったが、男だと分かり、ガッカリしてしまい自分の部屋に入った。

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