隣人は高校教師


とりあえず、散歩でもしようかな。

迷わず目の前の公園へ向かった。
小さい子供やお母さん達が楽しそうに遊んでいた。

ベンチに座り、ボーッと桜を眺めていると、初めまして、と声をかけられた。

「…あっ、初めまして。
私今日からあちらのアパートに住んでいる近藤といいます、よろしくお願いします。」

優しそうな雰囲気の妊婦さんだった。

「あ、もしかして202号室の?
そうなんだー、よろしくね。
あたし201号室なのー」

「えっ!本当ですか?
わー、びっくりです。」

「203号室の佐々木さんには気をつけてねー」

爽やかな笑顔で言われた突然の隣人注意報に、え?と聞き返す。

「ほらー、イケメンじゃない?
でも騙されちゃダメよー。
近藤さん若いからー」

頭の中に?が飛び交う。

若い?騙される?

「あの、あたしまだお隣さんに会ってなくて…」

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