愛は満ちる月のように
「君の言葉を聞いていたら、大したことじゃないように思えてくる。さすが弁護士先生だ」


悠は少し緊張を解いたような顔で美月に口づけ、抱き締めた。

美月も彼のキスに応えながら、


「私は……高いわよ」

「シェルターの弁護士なのに?」

「ええ、ガールズシェルターのね。ユウさんはいつから“ガール”になったの?」


クスクス笑いながら答えると悠も笑い始める。


「僕たちの仲じゃないか……割引いてくれよ」

「そうね、私たちの仲だものね……五割増しかしら? きゃぁ……」


悠の指が布団の中に潜り、美月の太ももを撫ぜた。そして、ほんの数十分前まで悠のいた場所を往復する。

熱い吐息が何度も重なり、互いの肌を夢中になって求め続け……。



ドアのすぐ外、廊下が軋む音になど気づくはずもないふたりだった。


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