愛は満ちる月のように
ふたりを助けにきてくれたのは父だった。

方々を駆け回り、使いたくない実家の力にも頼って、穏便に事件を収めようとしてくれた。 


そんな中、兄の久幸は弟の友朗に責任を押し付け逃げ出してしまう。それくらい、一族の中で兄弟の立場はまずいものになっており……。

窮地に追い込まれた友朗は素直にふたりを返さず、なんと彼は小太郎の頭に拳銃を押し当て、父親の太一郎にサインを迫った。


そんな違法行為でさせたサインが通るはずがない……通常なら。

しかし、当人たちの口を塞げば、違法行為そのものが消えてなくなる。


そのことに気づいた美月は弟を庇った。

だが、もつれ合う中、撃たれたのは父の太一郎だった。


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