もっと…

ダブルデート(?)開幕

(梓…おっせぇなぁ……)



待ち合わせの時刻はとっくに過ぎているというのに、


梓は未だに駅前に訪れなかった。





伊東は更に待っていると



ようやく梓はやって来た。



よく見ると、見知らぬ男が一緒だ。



長身の美形な男は、くるんくるんの黒髪を遊ばせている。





…何考えてんだ、アイツ。




何かモメテるみたいだ。







「ハァ…ハァッ。ゴメン!!待ったわよね…?」



膝に手を置いて肩で呼吸をする梓。



いや、別にそれはどうでも良くて……。




「へぇ~。割とイケメンじゃん。コイツが梓の彼氏か!」




この失礼な男は何者なんだ…?



「…あ。コイツ、私の兄貴なの」




俺の疑問に気が付いたのか、梓は謎の男を紹介した。





…そっか。


梓の兄貴か……。






って、え…?








「兄貴ぃ!!!?」
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