ある夕方の拾いモノ -狐と私、時々愛-
「気分はどうだ?」
「…んあ、―――ここ、どこ…?」
「ぬしの部屋よ。湯船でのぼせおった故、我がここまで運んだのではないか」
そこまで教えると菜々美は思い出したのか、顔を真っ赤にして布団の中に隠れてしまう。
「…こら、出てこぬか」
頭のあたりを軽く小突くと、菜々美はうめき声をあげ出す。
「何ぞ」
「………のぼせたのだって愁が悪いんじゃん!しかも全部見られたし、もうやだぁ…」
そう騒ぎ出す菜々美に我は呆気にとられたものの、すぐに笑いがこみ上げてきてたまらず吹き出してしまった。