ある夕方の拾いモノ -狐と私、時々愛-
もう、手放したくない。
離れたくない。
菜々美がなんと言おうとも、我は菜々美の側にいたい。
これからの永い永い生涯を、我は菜々美と共に生きていきたい。
―――そのためには、菜々美にある決断をさせねばならぬ。
我はすっかり笑いも落ち着いた菜々美の横顔を見つめながら、どう切り出そうか考えあぐねていた。
「………う、愁?」
気づけば菜々美は我のそばにより、我の腕を掴んで揺らしている。
「どうした?」
「それはこっちの台詞!…ぼんやりしてたから」