ある夕方の拾いモノ -狐と私、時々愛-





(…愁)


私は人間で、愁は妖弧。
違うんだ。
根本から違うのに。


それでも愁はあたたかかった。


触れ合うところから愁の心音がして、穏やかな気持ちになっていく。


………愁は?
愁も同じ気持ちならいいのに、と私は思わずにはいられなかった。






「菜々美、我の話を聞いてはくれぬか。………ぬしに聞いてほしいのよ」


しばらくそうしていると、愁が口を開いた。
その言葉に私は頷く。それを合図にしたように愁は話し始める。


…淡々と、淀みなく。





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