ある夕方の拾いモノ -狐と私、時々愛-





私を逃がさないために天井から吊された鎖が激しい音を立てた。
枷が手首に食い込む。
私はその痛みに顔を歪めた、けど。


(―――愁、愁…愁!)




―――――ズンッ!










「…しゅ、う………」


その鈍い音で、刃が私の左肩を刺したのがわかった。


傷口が一気に熱くなってきて、どくどくと血が吹き出す感覚に目眩がする。
鎖のせいで元いた場所まで強制的に引き戻された私は、刀が刺さったまま俯せに倒れたのだった。





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