GEDOU―樹守る貴公子―

薬師・莢



「その後、どうなったのだ?」

「何が」

「途中で倒れてしまったのだろう?あの後、大丈夫だったのか・・・?」

「・・・」


 天冥は少し迷ったような素振りを見せた。

 少しだけ考え込み、天冥は閉じていた瞼を開く。


「あの、桃の木を覚えておるか?」

「ああ」

「あの木の下に埋まっておる奴が、俺を助けてくれた」


 天冥の顔は、どこか切なそうだった。



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