クロス†ハーツ



……パートナー?




「あ、やっと来た」

「…!」


会長のパートナーがよく分からず何も言えないでいると、横から女の子の声が聞こえた。
反射的にそちらの方を向くと、腰に手を当てて少し怒った様子の女の子がC組の教室から出てきたところだった。


「もう!理久、あんた授業は遅刻しないくせに、私との約束は遅刻ばっかりなんだから!」

「あー…、ごめんね。帆香」


その女の子は、私と同じクラスの鳥井帆香ちゃん。確か――


「あ、生徒会の副会長…?」

「そうそう。僕のパートナーだよ」

「なるほど…」


やっとパートナーの意味が分かって一人で納得していると、隣から「うわっ…!?」という声が聞こえる。
その声に反応して、会長がいるはずの隣を見ると、会長は帆香ちゃんに腕を掴まれていた。


「凛ちゃん、朝からうるさくてごめんね? …ほら!理久は私のクラス行くよ!?」

「ちょ、帆香。乱暴だって…!」


そんな言い合いをしながら、生徒会の2人はあっという間に私の前から消えていった。


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