続 青薔薇姫



「じゃあ行こっか!!あそこの公園まで競走ねーっ!!」


そう言ってものすごい速さで駆け出す瑞華。


「ハハッ瑞華はよく競走したがるよな。」


競走と言われても悠長に歩く柚歩。


「ホント………。」


俺も柚歩と一緒に歩く。


公園に着いたとき、瑞華はご立腹だった。


「もうっ!!お兄ちゃんも虎太も遅ーい!!」


「まぁまぁそう怒んなって。

ジュース買ってやるから。走って汗かいただろ?」


「……ホント?やった!!」


瑞華の喜ばせ方を知ってる柚歩は、やっぱり兄妹なんだと実感させられる。


………羨ましい。


本能でそう思った。


兄妹だから仕方ないのは分かってるけど……できれば俺が知っていたいと思ってしまう。


「虎太?どうしたの?」


「え?あ……なんでもない。」


瑞華と柚歩と遊ぶのは、1人でゲームしてるよりよっぽど楽しかった。




















この生活がこれからも続くと、ずっと思っていた。




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