○○彼氏。【完】
だって優希がかまってくれないのが悪いんじゃん!!
こんなの恋人じゃないよ!!
ただの世話係りだよ、世話係り!!
なんてことは口が裂けても言えず。
グッと涙をこらえて手当てを続けた。
「はい、終わり」
パタン、と救急箱を閉じると優希はすぐに立ち上がって、
「じゃ、気をつけて帰れよ」
と言って帰っていった。
「気をつけて帰ってほしいんなら家まで送ってけ、バカ」
誰もいなくなった保健室に、あたしの鼻をすする音と声だけが響いた。