○○彼氏。【完】
早く行かないと売り切れちゃう。
俺は席を立ち購買へ向かいパンを買うと、そのまま屋上に行った。
「やっぱ、少し暑いかな」
夏も目前に迫った六月。
風は吹いているというものの、屋根のない屋上は日差しが直接当たり、熱気に包まれていた。
そんなところにあまり人はいない。
だから、ゆっくり昼ごはんを食べるにはもってこいの場所。
そして、昼寝にも。
少し影になっているところで食べようと移動すると、そこには珍しく先客が。
「なんだ。誰かと思えば菜奈ちゃんじゃないか」
俺はやっほー、と手を挙げ声をかけた。
突然声をかけられたのに驚いたのか、菜奈ちゃんはビクッと体を揺らしこちらを向いた。
「・・・・・なんで、ここにいるの?」
すぐにまたいつも通りのポーカーフェイスに戻り、尋ねてくる菜奈ちゃん。