ハナミズキ



―徐々に、ボタンが外れていく。


「…ちゃんと、優しくするから。…恋華は今回が初めてって思ってほしい。」

遊李さんは、まだ覚えていた。

私が、お父さんにレイプされたこと。


確かに、もう私は処女じゃない。


でも、好きな人と結ばれるのはこれが初めて。


遊李さんはそれを、初めてだと思えって言っているのだろう。

私は、その優しさに胸の奥が熱くなった。

それはまるで、遊李さんへの想いが強くなったような気がした。
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