ハナミズキ
悠くんの腕の中で、私はつぶやいた。
「…悠くん…。
大好き…」
「俺も…好きだよ」
そして、私達はそっと触れるだけの優しいキスをした。
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「あ……ッ!!
は、るかく……っ!!」
「恋華…!
恋華…!」
「…あ、あ、……っん!」
「恋華…愛してる」
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私達は、あのまま近くにあった用具室で一つになった。
学校の中だし、避妊具もなかったけど……
私は、すぐに悠くんの体温を感じたかった。
でないと、また失いそうで――……。
そんな、五月の風が吹く日だった。