下剋上はサブリミナルに【BL】
「西島くん。これ、本部から。今月の給料明細だって」


バイト先のクリーニング店にて。


各店舗を巡回している配送車が到着し、仕上がり品の検品をしている所で、パートの清水さんから声をかけられた。


「あ、はい」

「今月もお互いお疲れ様でした」


笑顔で封筒を渡され、オレはそれを両手で受け取る。


「偉いよね~。そこから食費入れてるんでしょ?」

「あ、はい。でも、自分の分も取りますよ」

「当たり前じゃない。自分で稼いだお金だもの」


オレは封筒をとりあえずエプロンのポケットに入れると、検品作業を続けた。


「あ~、やっぱりこの時間、西島くんがいてくれると助かるわ~」


本部から届いた他の書類、荷物を確認しつつ、清水さんは話を続けた。


「そうですか?」

「うん。ホントは日中も2人体制だと心強いんだけど、そしたらコストがかかっちゃうものね~」

「そうですよね」


オレがバイトしているクリーニング店は8:00~20:00が営業時間。

店長さんとパートさん3人と、学生バイト2人の計6人で、ローテーションでまわしていた。

基本、ここは研修が終わったら1人で勤務するという決まりだった。
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