アンダーサイカ


書き終わったメモ用紙を受け取る。
それはどうやら、地図みたいだった。

隅の薬屋から始まり、2番街のお肉屋さんまでのルート。
そんなに遠くはなさそうだ。


「僕も実際目で見たことはないんですけど、配達屋の話ではこういう店の並びだと。

お金で買えるぶんだけ、お肉をお願いします。」


「うん。何のお肉?」


鶏かな?それとも豚?


でもヨシヤの返事は、私の予想とはだいぶ違うもの。



「いいえ、ただの“お肉”です。それ以外は売られていませんから、すぐ分かりますよ。」


「は…………はぁ?」


変な答え…。いろんなお肉を売ってるから、「お肉屋さん」なんだろうに。

でも、何てったってここはアンダーサイカだ。
私の常識と違うことなんて、あって当然。そう割り切ることにした。


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