アンダーサイカ


「……眠い…。
なんか、すごく疲れた…。」


変な話。

アンダーサイカでオバケたちに振り回されても疲れなかったのに、今日一日のことだけで私は完全にまいってた。
メンタルが弱いのか、強いのか。


こういう疲れは寝てもなかなか取れないものだけど、


「…………、」

純粋に眠いから、私はそっと瞼を伏せた。




―――今日も呼ばれるのかな…。ヨシヤに……。



どこでもいい。
…今は、家(ここ)じゃないどこか別の場所に行きたい。


それが、オバケうじゃうじゃの悪趣味な地下街でも、

不気味な笑顔の似合う、白衣姿の男の人のもとでも……。




【…………………、】


私の耳にあの聞き慣れた声が届いたのは、私が夢の世界に落ちる寸前だった。




【豊花ちゃん。】




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