アンダーサイカ


ぱちっ。


目を開けた時、そこはベッドの上じゃなかった。

いつの間にか、隅っこの小さな丸椅子の上に、器用に膝を折り畳んで座っていた。
右を見ても左を見ても薬の山。そして目の前には、


「こんばんは。もしかしてお休み中でしたか?」


寸分変わらない笑顔を振り撒く、ヨシヤの姿。



私はちらっと視線を落として、自分がパジャマ姿だってことに気づく。

どおりでヨシヤのニヤニヤが二倍増しだと思った。


「その格好も可愛いですけど、なにぶんお仕事ですから。
ふふ、ハイこれ。」


ヨシヤの手には、椿模様の割烹着。
パジャマ着たままよりはいくらかマシか。私はしぶしぶ割烹着を受け取って、パジャマを隠すように上から着た。


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