ヤンデレパーティー


女子高生の反抗期みたいなことを熱弁し始めた付添人。『お父さんが吐いた空気吸うのもイヤっ』な感じである。


意識しなければ何とも思わないが、意識し始めれば、確かに外を歩くという行為は、誰かの吐いた二酸化炭素を吸ってしまうこと。


口移しではないにしろ、一度体内に入れて外にリバースしたものを強制的に取り込むとは、潔癖すぎると言えばそれでおしまいだが、誰でも嫌いな人とは空気さえも共にしたくないものだ。五十歩譲れば分からなくもない熱弁だった。


「外に出なくとも、窓があれば日には当たれますし、他人が吐いた二酸化炭素混じる風に当たるよりは空気清浄機がある部屋の方が断然、お嬢様の健康にはいいでしょう。

ですから部屋から出てはいけません。出る必要などない、危険ですから。ベランダもアウトですよ。何せ、外は空気清浄機がない世界なのですから」


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