密なカラダにくちづけて。
啓介は、鼻歌を歌いながら つまみに出したイカの一夜干しを食べる。

その仕草を見るアタシは

何てわかりやすい男…

心の中で呟いた。

出張なんかじゃない。

女の感がそう言うの。

その感を確信なモノに変えたくて 私は、啓介がお風呂に入って シャワーの音が聞こえ始めると 仕事用の啓介の鞄から携帯を取り出す。

思った通り、ロックが掛けられている。

暗証番号…

思い当たる番号を入れていく。

啓介の誕生日、車のナンバー、好きな芸能人の誕生日、
適当なゴロ合わせ…

そういえば。

私は、ある事を思い出す。

それは、数ヶ月前に テレビで占い番組をやっていて

啓介のラッキーナンバーは3だった。


「3がいいのか…」

そう呟いてたっけ? 単純な啓介だから、きっと…
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