あの頃、テレフォンボックスで
私はひとりで
楽しい気持ちで
店をあとにした。


「未来のお母さん」

そのあとに、ケイタの心に
溢れた言葉は何?





好きだと言ってしまってから
なぜだか
気持ちは楽になった。


まさか、と思っていたことが
言葉にした瞬間に
現実のものとなったのだ。


ケイタが好き。



どうしようもないこの気持ちを
どうやって押さえれば
いいんだっけ?


でも、

好きだからといって

どうしたいのかもわからない。



どうしたいわけでもない。


ただ、純粋に
人を好きになっただけ。



それは、

いけないこと?

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