雪が降る町~追憶のletter~


プルルルルッ

もうそこそこ時間がいい時にありさの携帯が鳴った。

「もしもし?今?駅前だよー」

頬杖をついて晶はありさを見た。
多分彼氏だろう。

晶は帰る支度をしてありさの電話が終わるのを待った。


「ごめんね、今ちょうど近くにいるみたいで」
「いいよ。もう食事も終わってたんだし」


そして晶とありさが席を立って会計をしようとしたときに後ろから声が聞こえてきた。


「桜井!ほら、あの子、帰るんじゃないのか?」
「幼馴染っつーことは家近いんだろ?送ってちゃれよ!ここはご馳走してやるからよ」


おじさん達が大きい声で快斗にそう言っていた。私は聞こえないふりをしていたけど。
だってなんか久しぶりに会っただけでも恥ずかしいのに、一緒に帰るだなんて。

そう思ったのに晶のことはお構いなしに快斗が言った。


「あ、じゃあお先に失礼します。ご馳走様でした!」


(え?
本当に一緒に帰るの?)


会計が終わってありさもニヤニヤしながら『頑張って』と去り際に言われるが晶には意味不明であった。


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