雪が降る町~追憶のletter~
「結城さんの幼馴染···桜井快斗くん、か」


受け取った名刺を見ながら真田が呟いた。


「あ··すみません、足を止めさせてしまって」
「いや、大丈夫だよ。結城さんの幼馴染ってイケメンだね」
「えっ····」


真田を見上げると、いつものふざけたような雰囲気で言ってるのではなく、口元は笑ってはいたが目が真剣で、晶は気まずくなって目を逸らしてしまった。

「ですよねー!!!まさか晶のすぐそばにあんなイケメンが!!」


その空気を微塵も感じ取らずに割って入ってきたのはありさだ。

真田にとってはありさの一言でいつもの緩い空気にされてしまって内心溜め息ものだったが、晶にすると、そんないつものノリのありさにちょっぴり救われたのだった。



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