雪が降る町~追憶のletter~
「そっか。結城さんは地元だっけ?」
「はい。産まれも育ちもこの町です」
「オレはあっちからきたからさ。初めはこの寒さに驚いた」

にっこり笑顔で晶に話しかける真田にありさが冗談混じりで怒ったように言葉を投げかけた。

「ていうかどうして晶ばっかりなんですか!」

すると、ははっと笑って、真田はありさにも出身地を聞いたが、いかにもついでの質問だ、とありさはさらに頬を膨らませた。

「それじゃ、お疲れさん」
「はい、お先に失礼します」

晶は真田に挨拶をしてありさと会社を後にした。




「ねぇ。真田さんてさ。晶に気があるんじゃない?」
「ええ?そんなことないよ」

白い息を漏らしながら2人は歩いていた。
冬になると退社する時には外は暗くなっている。そんな中だと余計に寒さが増して感じるものだった。

晶はありさに誘われてご飯にいくことになった。


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