雪が降る町~追憶のletter~
『なに?俺の声そんなに聞きたかった?』

「···ば、かじゃないの··」

『····顔見せて』

「は···?」


ふざけていた筈の声が急に真面目トーンになって、晶は携帯を耳にあてたままゆっくりとカーテンから外を覗いてみる。

自分の部屋の灯りが窓に反射していて見づらい。

晶はカーテンの中に入るようにしてもう一度窓に顔を近づけて外を··向かいの窓を見た。


『よう。今日は大丈夫そうだな』
「?何が···」


晶が首を傾げると、快斗は親指を立てて“あっち”と指示を出した。


< 58 / 218 >

この作品をシェア

pagetop