雪が降る町~追憶のletter~

「か、快斗・・だよねぇ?」
「はぁ?寝ぼけてんの?」

いつもの快斗に戻ったのを感じて晶は胸を撫で下ろした。
急に、そんな女の子扱いみたいなこと言われたって戸惑うだけだ。


(大体会社にあんな可愛い子がいるんだから私なんて・・・)


ふと晶は思った。


“なんで佐野さんと自分を比べて卑屈になっているんだろう”


その疑問の答えを探っている時に視界に飛び込んできたものを手に取る。


「これなに?」
「え?あー・・・なんか卒業んときに誰かの携帯番号メモったやつだ」


ひらりと落ちた特徴のないその白い紙には、ひとつの携帯番号が書かれていて、それはおそらく中学生の快斗の文字だった。


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