純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~

化粧室に駆け込みながら、やっぱりまだ泣きそうな私。


良かった。本当に良かった。

婚姻届を出したり、2人だけで式を挙げることは簡単なことかもしれない。けれど、それではもう二度と彼女のご両親とは、和解できない気がしていた。


こうして、認められて……。
二人は本当の幸せを手に入れたのだと思う。



「げっ、ひどっ」


化粧室で自分の顔を見て、げんなりする。
フィルムタイプのマスカラをしていたから、黒い涙は流れなかったけれど、その残骸が飛んでいる。


「私って、ホント女っ気ない」


化粧を直しながらため息をつく。
これじゃあ、歩に嫌われちゃいそう。


ちょっと反省しながら、再び仕事に戻った。




< 62 / 311 >

この作品をシェア

pagetop