嘘つきなアイツ~テキトー王子の甘い罠
人見知り少女
「市川さーん!」
校舎を出るとそんな声がグランドの方から飛んで来た。
「よっマドンナ!」
「愛理ちゃーんコッチ向いて〜」
そんな声に続いて聞こえてくる冷やかし。
はっきり言って私は地味だ。
校則が緩くて染色オッケーなのに、真っ黒な私の髪。
女子のほとんどが綺麗なブラウンヘアーのため、黒髪の私はかなり目立つ。