ラブミー・アゲイン



「どうした?」と言って、パーカーに手を突っ込みながら、顔を覗き込んでくる爽くん。


無条件な優しさにまた、息が苦しくなる。



『なんでもないよ!』



―…私、きっと最低なんだ。


元彼である祐くんが、今、地元にいる。

爽くんは、私と祐くんはもう、ただの友達であることを知ってるし、
変な気持ちを交えてこの台詞を言ったわけでないことも、わかってる。



それでも、私の頭をかすめるのはあの人で。


祐くんが来ているということは、祐くんのお姉さんも帰ってきてるかもしれない。


祐くんのお姉さんが帰ってきてるということは、

―…その、結婚相手である先生も、帰ってきてるかもしれないの。



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