『わたし』は『あなた』になりたい

人形に求められる者

休み明け、マカは青空の下、学校の屋上で一人立っていた。

そこへ一人の女子生徒が訪れる。

「あら、マカ先輩。おはようございます」

現れたのはリリスだった。

マカは振り返り、リリスと向かい合った。

「お前、どういう人形を作ったんだ?」

「さて、どの人形のことでしょう?」

マカは例の彼女の名前を告げた。

「ああ、彼女に差し上げた人形ですか。アレはわたしが作った物です」

「魔女の死体を利用して、か?」

「正確には魂をも、ですけど」

険しい表情を浮かべるマカと、楽しそうに微笑みを浮かべるリリス。

「マカ先輩は魔女のことをどこまでご存じで?」

「大したことは知らん。同属のことだけで手いっぱいなんでな」

「そうですか。ではあの人形と魔女のことをご説明しましょうか」
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