天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅩ
「マリオネット職人かぁ…珍しい職を持った親御さんだなぁ…」

呟く龍太郎。

「人形作りの修行にでも行ってんのか?」

「…………」

問いかけても、天音は何も言わない。

言いたくないのかもしれないし、詳しくは聞かされていないのかもしれない。

何にしても、まだ高校生の娘を一人置いて洋館を留守にするとは、ちょっと気の毒な話だ。

「天神寮に来ればよかったのによ。同じ一人暮らしでも、だいぶ違うもんだぜ?」

「…………」

「ま、お前の勝手だけどよ」

返答しない天音に、龍太郎は苦笑いした。

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