天使のi love you
目覚めた瞬間
集中治療室に入ったひかる。ひかるのお母さんも急きょ駆け付けた。初めて入った『集中治療室』は機械音がただただ鳴るだけの部屋。この音が私をだんだんと不安にしていく。
ひかるにつながれた機械から暴走族の恐ろしさを実感する。

「ひかる?頑張って!」

私はイスを出してひかるの横に座るとひかるの手を静かに握った。

「ひかる・・・ひかる、目を覚まして」

近くに行けばいくほど見える傷。その傷が恐ろしさを物語っていて・・・
あんなにきれいで整った顔を今はきずやあざだらけ。

白い手は冷たかった。冬だからだよね?
白い手に一つの涙が載った。私の涙がひかるの手に落ちていく。

「目ぇ、さましてぇ・・・・」

「さましてるけど?」

声がして

でも声の主が分からなくて

ひかるのお母さんを見つめるけど

なにも言わなくて

ひかるを見ると目を覚ましてて

私を見つめる目があって。

「ひかる・・・?」

私は一生懸命に涙を拭って笑顔を見せた。

「だれ・・・?」




今聞こえた声の意味が

言葉の意味が

よく分からなくて

見つめることだけを続けた。
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