恐怖館







授業中、二人で窓の外を眺めながら、流れる雲のかたちを見て、


「あれは○○君に似てる あの形は先生の輪郭ソックリ!」





とヒソヒソ話しては、二人でクスクス笑いあったりしたものだ。








それから、まだまだ思い出はある。







今まではただ退屈だった運動会や遠足も、彼のおかげで楽しく、懐かしいものとなった。








ただ…彼は少し変わっていた。







それまではどんなに楽しく話していても、他のクラスメイトから何かを言われると、急に険しい顔になって押し黙るのだ。








…何を言われてそうなっていたんだっけ…







などとボンヤリ考えていると、洋子の向かい側に座っている田中が身を乗り出し、喋り出した。






< 30 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop