紅梅サドン
彼女が言うマスリカさんと全く同じ『予言』を、明日また聞く事になるなんて、この時の僕に想像出来ただろうか。

いや、もしかしたら彼女の言う『マスリカさん』ならば、僕の未来がハッキリと見えていたのかもしれない。


ーーきっと。


銀座の渦巻きみたいな雑踏は、嬉しそうにマスリカさんの話をする彼女と僕を取り囲む。

まるで人々に忘れられた離れ小島の様に、僕達はただポツンとその場所に取り残されていた。




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