紅梅サドン
ルノーの里親である父が、海外出張先からたくさん送って来てくれるという『ワイン』がーー。

僕を破滅的にメロメロのドロドロにさせるんだ。

月並みな言い方だが、こんなに美味しいワインは飲んだ事が無い。

こんな美味すぎるワインと一度でもお付き合いしてしまったらーー。

もうスーパーで購入する安ワインを、これっぽっちも愛する事が出来ない。

そのスーパーの安ワインに毎晩の如く、何度も唇を重ねたと云うのにーー。

ルノーから渡される無常な愛のワインで僕は、雪子にルノー抜きで話す事を承諾した。



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