紅梅サドン
「はい。ちょうど三年前に彼と結婚しました。

籍を入れた時、私はちょうどハタチで、彼は28歳でした。

彼の口車に全く気付かずに、喜んで乗ってしまいました。

何も疑わず、彼を信じ込んでしまった自分を、今は深く後悔しているんです。

だから離婚するつもりです。

私はもう、彼の所に戻るつもりはありません。

彼には結婚する前からずっと、私とは別の女性が何人もいますし。

それに実際、私達は一年半以上前から既に殆ど別居状態でしたからーー。

それに奇跡がありました。秋さんに会えた事。

刺したと言っても太ももですよ。

“ちょっと”です、ほんのちょっと。

東京へ立つ前日に、残っていた荷物をまとめるため、久しぶりに二人で住んでいた家を訪れたんですが、その時にーー。

彼と少々揉めましてーー。

彼は元・ラガーマンですから、体中ムキムキの筋肉だらけだし、大丈夫じゃないですか?ーー。」




< 179 / 311 >

この作品をシェア

pagetop