紅梅サドン
八月半ばが迫り来る夜、僕は眠れずにいた。

あさっての朝。
僕達四人は、福島に行かなければならない。

雪子の元ラガーマン旦那に離婚届けへサインさせる事。

雪子は腹を決めている。

僕とルノーは何度も雪子に説得した。

『雪子が一人で話を付けた方が、良いのではなかろうか?』


『私こう見えて、結構、短気なんですケドーー何するか自分でも分かりませんよーーーフフフフ。』

雪子はそう不気味にニンマリと笑うだけだった。



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