白球を追いかけて


監督は大会に負けて、野球部を辞めた。



最後の言葉なんて覚えてない。



監督は突然消えた。




責任をとったつもりなのだろうか。



俺から言わせれば、その責任から逃げただけ。





それからまもなく新しい監督が来た。



全くのど素人。



それまではかなり強かったから、試合相手には困らなかった。



練習は全部自分たちで考えた。



監督が残していったたった一冊のノートを参考にして。



そこには、チームだけでなく一人一人の長所と短所が記されていた。



こんなもん残すなら、辞めんじゃねぇよ…
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