アイ・ラブ・おデブ【完結】
知らな過ぎた娘
…なぜ…父さんが…

小さな飛行機の中で環は繰り返し呟いていた

…70歳は越えたけど健康には自信があった筈だわ
むしろ神経質な母の方が病気になりそうだったのに…

そう考えて、それが数年以上前の情報だと気づいた

たしか二人に会ったのはジョエルと結婚をした直後…
その後は手紙も電話もしていなかった

斜め前に座るジョエルは振り返り、話し出した

「環さん…ここの所、電話の電源を切っていたでしょう?
自宅も通じなかったと…
叔母さん達は連絡するのに困ったみたいですよ
お父さんのアドレス帳に僕のがあったみたいで…」

「そうなの…けど、母なら事務所の連絡先くらい知っている筈よ!
大騒ぎしなくても…」

まるでジョエルを馬鹿にするような仕草で話の腰を折った

環の言葉に驚いたように目を見開き、話を続けた

「…じゃあ…知らないんですか?
お母さんのことも…」
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