私だけの、不良なヒーロー。






私はなかなか開かない目を無理やりに開けて、彼を見て、びっくりした。





彼の目からは次々と涙が流れていて、彼は私を見下ろしていた。





「南...」





彼がそうつぶやくのが聞こえて、私は手をあげて、彼の顔に添えた。






カバンが地面に落ちる音が遠くに聞こえる。






「りく、と...」





私がそうつぶやくと同時に、彼は私の首元に顔をうずめてきて、






小さな声で泣き出した。








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